講座概要

 本講座は、当社の提供する「マイコン教育コース」の3番目となる最後の講座です。このコースは3つの講座から構成されています。このコースの最終ゴールを”DCモータの制御ソフトをハンドコードで実装する”ことに設定し、そのソフトウエアを実装する為に必要な組込プログラミングの知識・技術を習得していく内容になっています。

マイコン学習キット


 本コースの1番目の講座「ES-1 組込プログラミングの基礎講座①」では、ディジタル入出力(DIO)といった基礎から、演習→実習の繰り返しによって組込プログラミングを学習・習得して、ON-OFF制御によるモータ制御のソフトウエアを実装するところまでやりました。2番目の講座「ES-2 組込プログラミングの基礎講座②」では、タイマーや通信、バッファ機能など、組込プログラミングの知識・技術を演習→実習の繰り返しによって習得しました。

 「マイコン教育コース」の最後となる本講座では、最終ゴールとして設定していた”DCモータの制御ソフトをハンドコードで実装すること”をやっていきます。具体的には、フィルタの演算、整数演算による物理量の取り扱い、そして、少し踏み込んだPID制御などの応用的な内容を学習していくことになります。
 本講座の特徴としましては、C言語の基礎的な知識のある人を対象として、マイコンのハードウエアマニュアルの基本的な読み方を習得するところから組込プログラミング技術者を育成するといった点にあります。題材をモータのフィードバック制御にしていますが、この題材を用いて組込プログラミングの基礎をハードウエアマニュアルレベルから理解、そして実装のできる技術者を育成します。制御ソフトだけではなく、一般的な組込プログラミング技術者の育成に適した内容になっています。

Information

 本講座では、PID制御を題材としていますが、ラプラス変換といった数学的な知識、伝達関数といった古典制御の知識は必要としません。しかし、制御の考え方、演算方法(処理の手順、処理内容)を理解して、実装していくことになります。本講座は、あくまで組込プログラミングを学習する内容です。内容について、ご質問のある方はお気軽にお問合せください。

対象者

予備知識

  • C言語の基本的な知識・経験のある方(文法的な知識・経験)
  • 必須ではありませんが、ソフトウエア開発の知識・経験のある方

目次

フィルタの実装
  演習29 一次遅れフィルタの学習
  実習30 一次遅れフィルタの実装(浮動小数点演算)
  実習31 PID制御の適合(I制御)
PID制御の実装と設計
  演習32 モデルベース設計とモデリング
  演習33 モデリングとアナリシス(解析)
  演習34 制御系設計(PID制御のゲインの設計)
  演習35 電流フィードバックの実装(整数演算を用いたPID制御)
  演習36 PID制御器の適合
  演習37 トルク制御を用いた角度制御

日数

2日間(1日7時間)

受講料

オンサイト講座 1日:500,000円(税抜)

  • マイコン学習キット、開発環境のレンタル料が受講料に含まれます。
  • 10名を越える場合は、受講料が変わってきますのでお問合せください。
  • お客様のご要望に応じて、内容をカスタムすることも可能ですのでご相談ください。
  • 遠方の場合の出張費など別途費用が発生する場合もございます。また、予告なく変更・改定になる場合がございますこと予めご了承ください。
Information

 本講座は、MBDソフト開発に関する講座ではありません。SimulinkモデルからCコードを自動コード生成(ACG)する内容の講座は、「SD-1 ACGモデル作成講座(EC版)」をご覧ください。

 一般的に、ACGするソフトウエアはアプリケーション部分のみで、マイコンのハードウエア部分に近いソフトウエア、いわゆるOSやBSWといった下回りのソフトウエアは、依然としてハンドコードによる開発をしています。近年、自動車業界ではAUTOSARの適用が増えつつあり、このBSW部分も自動で構築される仕組みがありますが、マイコンの知識、組込プログラミングのスキルをもった技術者は今後も必要とされると考えています。