モデルベース開発(MBD)の必要性が言われるようになって久しいですが、 OEMやTier1が積極的に取り組んでいる一方で、必ずしもMBDが日本全体に広がっているという状況ではないと考えています。具体的には、慢性的なMBD人材の不足、つまり、 OEMやTier1のMBD人材が欲しいという需要に供給が追い付いていない状況があると考えています。
その理由は、MBDに取り組むには、第一に「数学や物理の知識(※)」が必要というそもそもの前提条件があることにあると考えています。また、第二に「OJTでの経験(※※)」を積んでいくことが難しいという点があると考えています。
当社は、OEMやTier1で実際にこのような数学モデルを活用した開発を行っていたエンジニアが中心となってその根本となる数学や物理の基礎からMBDに取り組んでいきます。具体的には、まず、第一に社内の人材育成を徹底的に実施していきます。それによって、技術の蓄積、共有、継承をしていきます。
そして、それを基にして、当社は、MBDにおいて①コンサルティング事業、②エンジニアリング事業、③教育事業の側面でお客様により良い技術サービスを提供し、日本に貢献して参ります。
エムビーテックESP 株式会社
代表取締役 川本 智大
注釈
(※) MBD(Model Based Development)は、様々な人が様々な定義をしていますが、「モデルをベースに開発を行うこと」であればMBDと呼んでも良いでしょう。ここでいうモデルとは、歴史的、本質的には数学モデル、あるいは物理モデルと呼ばれるものです(広義のモデルはさらに広い意味で用いられる場合もあります)。
(※※) MBDが効果をより発揮する領域は、物理的な動特性をもつ制御対象を扱うフィードバック制御のソフトウエア開発です。当然、そのような開発を行っているのはOEMやTier1であり、ESP(エンジニアリング・サービス・プロバイダ)をはじめとしたMBD人材や技術を供給する側は自社でMBDに取り組んでいない為、OJTで社員に経験を積ませることが難しいという問題があり、また、社内に教える事ができる人材も少ないという実情があります。